今回は理学療法士の仕事に興味があるけどわからないという方に向けて理学療法士:Physical Therapistを略して「PT」のお仕事について解説していきます。
結論から記載していきますが対象者が対象者らしい様々な環境(生活の自立~スポーツ復帰など)に戻るために西洋医学(生理学、解剖学、運動学など)の知識を基に治療プログラムの立案~治療をしていく職種です。装具や杖等を対象者に合わせて選定していくので運動学の知識が特に重要となります。
最近は従来の病院勤務が主流であった時代に比べて自費治療の分野も開拓されていてPTの実力に伴って収入も見込める可能性も出てきている職種と思われます。また、小児分野や療育、スポーツ分野など幅広く活躍の場が出てきていると言えます。
ぜひこれからリハビリの仕事に興味がある方やまだPTの仕事について間もない方々の参考になるような内容に頑張ってしていきますのでご参照いただけますと幸いです。
PTについて5つのポイントにまとめについて解説していきます。①どんな仕事なのか?②どういう方が対象者か?③仕事の魅力④仕事の嫌なところ⑤よく聞かれる疑問
では早速解説していきます
①どんな仕事なのか
PTは理学療法士または作業療法士法という法律にて定められている内容としては下記に法律で定められています。※同じ法律の中に作業療法士もあるので一緒に掲載しています。
第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその
基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺
激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
2 この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主として
その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作
業を行なわせることをいう。
3 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の
名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。
4 この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の
名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。 ※厚生労働省より
なので原則としては医師の指示のもとに運動療法や物理治療を行っていく職種となります。
上記の治療を行うためにPTの育成過程では冒頭の生理学や解剖学、運動学の知識を基にした治療プログラムを考案していくための学習が進められていきます。
上記の基本動作とは「起居動作、規律動作、歩行動作」など主に寝ている状態から起きて、歩いていくという動作までとされています。
物理療法と運動療法を主の治療プログラムで多岐にわたる疾患の対象者に対して介入してくこととなります。
②どいう方が対象者か?
PT-OT-ST.NETより
上記の横軸の疾患になります。
脳血管疾患とは主に脳卒中の方を対象となります。
呼吸器疾患とは肺気腫や間質性肺炎などの肺疾患が中心となります。
心大血管とは心不全や急性心筋梗塞、大血管疾患(大動脈解離、動脈瘤など)お言い、末梢血管閉塞(足の血管の閉塞)なども含まれています。
運動器とは四肢の複合損傷や外傷などの方を対象とされており、スポーツ系の患者様や骨折の方々はここに含まれます。
廃用症候群とは様々な要因から身体機能が低下した方たちを言います。治療の有無を問わずに急性疾患による安静によって、能力が低下してしまった方や慢性疾患の増悪により能力が低下してしまった方が主の対象者となります。介入するためにはいろいろな要件がありそれをクリアする必要もあります。
③仕事の魅力
対象者の基本動作の改善度合いにPTの質という部分が重要となりますが、対象者をとりまく社会的背景や個人の因子にも大きく介入の仕方にバラエティがある仕事です。単純作業というよりはケースバイケースで介入していく内容が異なるので飽きるという事はないと思われます。
冒頭で記載させていただきましたが新しい分野がどんどん出てきており自費リハビリという部分が特に注目されております。医療の分野で自費というのは言い値になりますので実力があれば収入が見込める可能性を秘めている分野と思われますので今後も継続して追跡していきたい分野です。
④仕事の嫌なところ
実際に働いていて認定まで取得してみて率直に嫌な部分を大きく3つ記載していきます。
1つ目は実力が大事と記載してきましたが注目されている勉強会は自己投資としてのお金がかかり、認定など資格を持っていても特に優遇されることはない点です。なので、病院勤務などで勤務する場合は役職に就くなどのイベントがない限りは年齢に伴う昇給のみで、自己研鑽をしたからといって昇給には繋がりにくいです。仮にむしろ勉強を全くせずに過ごしているPTと比較するとその時期の収入から自分で使えるお金は少なくなります。
2つ目はエビデンスが確定しておらず理学療法という分野が発展途上であるという部分です。この要素により、1つ目の嫌なところで記載した全く勉強をしなかったPTが介入した対象者と比較して、熟練のPTが介入した対象者の回復過程がどちらがどれだけ回復したかを示すのが難しい点です。主観的には違いを示すことは可能と考えますが対象者もケースバイケースなので対象者の要因も交絡因子となり、示し切るのは難しいです。よって、頑張っているPTのモチベーションの維持が難しいです。
3つ目は対象者は自分の体が動きにくいという現実の中にいるため、メンタル的な部分にも寄り添わなければ訓練にならない場面が多々あります。なのでPTは運動を指導しつつメンタルケアもするため、PT自身の心身にストレスがかかりやすい部分は大変な部分と言えます。
⑤よく聞かれる疑問
ここではいままで学生指導にたくさん関わらせて頂いて、学生から聞かれる疑問についていくつか提示させていただきます。
Q1:実際のところ儲けれるの?
A:最初は給与所得(病院や施設などの勤務)のみになる方が多いと思いますので普通のサラリーマン程度の給与と思われます。なので年収300~400の間と推測されます。 冒頭の自費リハビリや給与所得以外に勉強会の運営などをしている方もいらっしゃるのでそうなると給与所得以外に所得を作れるので収入は高めていけると思われます。
Q2:他の就職に比べて理学療法士の免許のいいところは?
A:一応国家資格なので職に就けないという事は今のところ聞いたことはない点や元々運動経験がある方や運動が好きなスタッフに多いですが体の使い方や知識を正しく学ぶことができるので趣味にも繋がる点は面白いかなとは思います。実際自分もそうです!スポーツチームのコーチなんかもしている人も多くいますね。
Q3:資格を取るには?
A:実習を学校のカリキュラムに従って行っていき、最後に国家試験に挑むという形です。教育課程には専門学校と大学がありますが専門学校は概ね高校の延長線上という雰囲気が強い印象です。大学は大学ならではの単位の取得などを考えて学生生活を送れるのかもしれません。
異常でPTの仕事について解説させていただきました。私の私見も入っておりますが一人でも何かの参考になってくだされば幸いです。もし何か質問やご要望などいただけるのであればコメントなどで頂けると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
次回も書いていきますのでよろしくお願いいたします。
ではここで終わり
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